模試の復習の仕方#1 【国語の復習】
ども、所長です!
今回は模試の復習の仕方についての記事です。
特に、ほとんどの生徒は国語の復習が甘すぎるので、国語の復習の仕方について丁寧に説明しようと思います。
主に大学受験生を念頭に置いた文章になっています。
模試の復習の意義
そもそも模試の復習をどれだけの人が真面目にしていますかね?
恥ずかしながら私はほとんど真面目にしていませんでした。
今になってみるとなんて損なことをしていたんだろうと思います。
教える側になってようやく重要性に気づいたのですが、そこから共有すべきかなと思いますので、まずはその重要性についてです。
自分の偏差値と得意苦手がはっきりするということだけが模試の意味ではありません。
集中した時間を無駄にしない
まず最初に考えねばならないことは「模試のときが一番真面目に問題に取り組んでいる」ということです。
もちろん普段から勉強に使っている参考書がある場合もそこそこあると思いますが、参考書で自習しているときよりも確実に模試の方が集中して取り組んでいます。
その集中した時間の復習の方が基本的には実力につながりやすいです。(もちろん簡単すぎる模試はそうとは言いませんが。。。)
敢えての遠回り
ある程度、勉強のモチベーションはあるのに、模試の復習をしないといった生徒の場合、その理由は、時間がないとか、今使っている参考書のペースが乱れるだとか、そのあたりだと思います。
私が受験生のときは特に、後者で、それよりもこっちの参考書のペースを崩したくないから、ほとんど復習しない、という感じでした。
もちろん、忘れたころに返却されるので、やる気が起きないというのもあるんですけどね。。。
ただ、模試の復習で実力を伸ばした方が、結果的に、今使っている参考書が終わるまでにかかる時間を短縮できます。
この事実を認識しないのは非常にもったいないです。
質が高い
そしてこれが最大の理由ですが、模試はその模試を提供する会社が会社をかけて作っています。
ですから、問題の質は基本的に最も良いですし、解説の質も言うまでもありません。
特に解説の質は他の参考書と比べても非常に良いですから、それをしっかり読み込むだけでもかなり勉強になります。
正直なところ、模試の解説と同様のレベルの解説がついた参考書はほとんど世の中にありません。
ですから、各予備校のセンター用のマーク模試の問題集なんかはレベルが合う生徒にとっては最も良い参考書になります。
国語の復習
さて、ここまでで模試の復習の大事さを説明しましたが、今回副題として「国語の復習」とつけたのには大きな意味があります。
ほとんどの生徒が国語の模試の復習が雑すぎです。(英語についても同じく復習が雑になるパターンはよくあるんですけど、それはまた今後書くかもしれません。)
多くの大学受験生はマーク模試を複数回受験すると思いますが、センター形式の国語を真面目に20回ほど復習すれば、東大でも余裕で及第点を取れるようになります。
もちろんここでいう「真面目に」というのはそれなりにハードルが高いですから、簡単ではありませんが、それほど復習に意義があるということは理解していただきたいところです。
では具体的に方法について説明していきます。
評論文
まず、現代文の評論です。
作者、そして出典を真剣にチェックしましょう。
作者の欄の「職業、年齢、経歴」くらいは絶対にチェックです。
職業
職業が経済学者、となっていたら、それがどんな職業か理解できますかね?
知らない職業の人が書いた文章を真に理解できるはずがないので、作者の職業がどんなものか分からないなら調べてください。
年齢
次に年齢ですが、これも当たり前に大事な項目です。
20代の人が書く文章と60代の方が書く文章は違いますので。
作者の年齢の人が世間のどの世代の人にどんな内容を書きたいのか、によって文章は同じテーマでも全く違うものになります。
もちろん、作者がどのような教育を受けてきたのかによっても、文章は大きく変わるはずです。
バブリーな時代に学生だった人と、戦後間もない時代に学生だった人はそもそも受けてきた教育そのものがちがうはずです。
経歴
経歴についてですが、これも同じで、作者の人間性は経歴でかなり変わってきます。
双子で生まれた子どもであっても、通った高校や大学が違えば、人間性に差があるはずです。
もちろん海外で生きてきた人とずっと国内で暮らしてきている人も同じく違います。
出典
そして出典についてですが、新聞の記事の切り抜きなのか、新書の一部分なのか、学術書の一部分なのか、これだけでも、全く文章は変わってきます。
それは、誰に向けて書いた文章か、が変わってくるからです。
ここまで説明すれば以下のような例を挙げれば考えることがあるのではないでしょうか。
テーマ「原発」
a: 原発被害の地域で育った40代の農家で農業系大学卒の方へ地元の新聞記者が取材して書いた記事
b: 東京で暮らす学者、太陽光発電などのシステムのプロ、新書の一部分からの引用
これらの二つの文章が同じような内容になるはずがないんです。
ここまでで、評論の復習には何が必須かというと「誰が誰に向けて書いた文章か」ということを理解することだとお分かりいただけるでしょうか。
復習のルール
次は最低限のルールですが、国語は何があっても正解不正解両方とも解説を読むべきだということを意識してください。
そもそも、評論に限らず国語は、作者の意図、出題者の意図、そして多少の知識があれば満点を取れる科目です。
評論の復習の一つの大きな意義は「出題者が作者の意図をどう理解して、それの理解を問うために、どう出題しているのか」を理解することにあります。
ですから、問題が正解したとか、不正解だったとかは、復習の段階になったら二の次です。
「なんのためにここに線が引いてあって、何を答えて欲しかったから、この問題になっているのか」
これを勉強していくためには正解の問題でも解説を読まなければなりません。
少し話が変わりますが、東大の国語の問題は「~~とはどういうことか。説明せよ。(解答欄2行の自由記述枠)」という問題形式でほとんど構成されています。
これをクリアするためには出題者が何を答えて欲しいのか、という読解力が必要なわけです。
ここをクリアできない限り、どれだけ本を読んでも国語の成績は上がりません。
記述、選択それぞれ
記述問題の場合は、どの要素がなぜ必要なのか理解することをメインに復習してください。
選択問題の場合はそれに加え、間違いの選択肢がなぜ間違いなのかも重要です。
特に、選択問題で、出題者がなぜこのような選択肢を作ったのか、受験生がどのように引っかかってくれると考えているのか、が分かるようになったら、
文章さえ読めれば選択問題は一瞬で解けるようになります。ほとんどの場合、吟味の余地すらなくなります。
小説
次に小説問題です。
これも作者と出典については評論と同様です。そして、正解不正解問わず全て解説を読むのも同じです。
設定が大事
小説ができるようになるには作者と出題者のメッセージをつかむことが重要なのですが、以前こちらの記事では「登場人物の気持ち」に焦点を合わせて少しポイントを書きました。
以前の記事は「気持ち」を表現する方法について少しだけ触れました。
今回はもう少し踏み込んでどういうところを意識して勉強するかについて焦点を合わせてみます。
まず、小説は設定に気を使うのがとにかく重要です。
作者が「誰(読者)に、何を伝えるために、誰(登場人物)に、どんなシチュエーションで、何をさせたのか」さえ理解できれば、その文脈で問題を構成するのが普通ですから、極論文章を読まなくても選択問題は正解できてしまいます。
たとえば、「中学生読者に、青春時代のはかなさを伝えるために、社会人1年目の男に、甲子園会場に行かせて、負けた高校球児の帰り路を見させた」とか、こういう感じですね。
小説は普通に読む分にはほとんど困らないでしょうから、逆に、こういうことを意識的に言葉にしようとすると多くの生徒は困ってしまいます。
なぜその設定にしたのか
設定を説明できるようになったら、次はなぜその設定にしたのか、を考えなければなりません。
上の例でいくと、なぜ主人公を社会人1年目の男にしたのか。高校球児そのものにすると青春を描けないからです。
青春は振り返って認識するものだから、あえて、学生時代が終わった人物を主人公にしたわけです。
そして、なぜ負けた高校球児にしたのか。
ポイントはこうだったら設定が別のパターンだったらどうだろうと考えることです。
なぜ、夏に設定したのか。春だったら?秋だったら?冬だったら?
なぜ男なの?女が主人公だったら?
そもそも、小説に無駄な表現は入っていません。設定も無駄なものは省きます。
無駄ではない残ったものが書かれていて、それを理解して、問題解けますか?というのが出題者の意図ですから、そこを意識するのが大事です。
古文漢文
出典、解説
古文、漢文も、作者、出典、解説を全て読むのは重要です。
特に古文は暇つぶしの文章であることがほとんどですから、その時代の日常を少しでも吸収することが大事です。
古典では今の時代に生きている人とは時間の感覚が全く違います。
スマホもテレビもパソコンもない時代ですから、文章が一部の裕福な人にとって暇つぶしとして大きな意味を持っていたわけです。
もちろん他にも重要な意義があったのでしょうが、受験に出されるものとして、今でも資料が残るほどに流通したものがそういったものであったのではないかと私は考えています。
この辺はプロじゃないんで詳しいことはわかりませんけどね。。。
さらに漢文について言えば、今のビジネス書のような意味合いが非常に強いです。
これもやはり漢文として今に伝えられてきたものは、「こういう出来事があったから、この出来事からこういうことを学びなさい」といった形のものがほとんどです。
これらが、大まかにつかみ取る部分となっています。
そして、模試の解説には割とそういった側面についてコメントされたものが多いですから、その意味で、良い問題集になっています。
もれなくピックアップ
また、もう一つ重要なことは覚えていなかったことをもれなくピックアップして暗記することです。
この「もれなく」というのが大事です。
ここが適当になるからいくら問題を解いても勉強ができるようにならないという生徒は多いはずです。
この記事も読んでみてください。
まとめ
今回は模試の復習についての記事でした。
なかなか長い記事になってしまいましたが、いかがでしょうか。
少しでも参考になれば幸いです。他の科目についても需要がありそうなら書くかもしれません。
それではまた、所長でした!