保護者と先生の集会所

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アラサー高校物理の執筆をする「しがない個別指導塾講師」が子どものため、親のため、先生のために少しでも役立つ情報を発信するためのブログです。

塾講師に学歴は必要か【個別指導のアルバイト向け】

ども、所長です!


もう少しすると春期講習の時期になりますが、この時期とゴールデンウィーク前後くらいで、塾講師のアルバイトを探す学生も多いと思います。


例年、その時期に新人が結構増えています。


よくある疑問が「学歴は必要か」ということです。


今回は個別指導の新人アルバイトさん、もしくはそれを考えている方、に向けてのメッセージになります。


少なくとも東京の塾業界はアルバイトでかなりの部分が成立しているので、ぜひ参考にしていただければと思います。

どのくらいの学力の生徒が多いのか

まず、塾に通う生徒のボリュームゾーンを考えていただけるといいかと思います。


塾のブランディングにもよるとは思いますが、教えることができるかどうか、が塾で見られる学歴では重要なポイントです。

大学受験

大学受験生に関して言えば、そもそも東大に行きたいと言っている子は個別指導の塾に行くことはかなり珍しいです。


高校側がかなりスパルタに宿題を出していたり、大手の予備校の集団授業(そちらの方が安い)でも十分吸収できたり、という理由から個別指導に行く理由があまりありません。


自習でも勉強できる子はできますしね。


ボリュームゾーンでいうと東京では日東駒専やMARCHといったあたりの大学を目指す子どもが一番多いのではないかと思います。


東京以外の地域でもそのあたりの偏差値帯に属する生徒が一番多いと思います。


ですから、それくらいの学歴があれば授業自体は成立します。


基本的には自分の学歴までなら、授業のうまさ次第で対応できるはずです。得意科目であればもう少しだけ上の偏差値帯まで教えることも可能です。

高校受験

高校受験について言えば、大学受験で使用した科目であれば、どのレベルの高校受験も教えることは可能です。


そして、個別の塾に通う中学生もそれなりにいるので、需要はそれなりの学歴でも十分あります。(塾にもよりますが。。。)


ただ、全国的に名の知られている超難関校の入試というのが少しだけあって、それだけはかなりハード (英語以外)です。


私は東大出身ですが、こういう高校出身ではないので、正直東大の問題を教えるよりもこういう高校の数学の図形問題なんかを教える方が難しく感じます。


そこさえ注意すればほとんど学歴は関係ないと思います。

中学受験

中学受験に関して言えば、大学の学歴というよりは「中学受験でどの偏差値を自身で経験したか」というのが一番です。


正直、私は小学生に教えるのが一番大変です。


それはやはりボリュームゾーンと関係していて、個別指導に来る小学生は、最低でも中学受験合格を目指しているか、もしくは小学生段階ですでに落ちこぼれ気味かのどちらかです。


小学生に限って言えば普通くらいの子は個別指導にはほとんど来ません。


どちらもそれなりにテクニックが必要ですし、特に難関中学受験に関してはアルバイトを1年やったくらいでは教え方を身に着けるのはかなり難しいので、やはり自身での体験がないと物にならないです。

注意すべきことと必要な力

次にどのようなことが求められるかについても書いておきます。

コミュニケーションの能力

まず何より、子どもとコミュニケーションが取れない人はかなり不利です。


よくあるケースは男子校、女子校出身で、異性との会話経験がなくたどたどしくなってしまうというパターン。


特に、「出来れば女性の先生の方が良い」というお子さんは結構多いですので、男子校出身の大学生は少しだけ不利ですね。


逆に有利なのは異性の下の兄弟がいるパターンです。これはかなり有利で、生徒とコミュニケーションを取るのにもそれほど苦労しないことが多いです。


もし学歴を気にしている方でもこの有利なパターンに入る方はぜひ一度経験してみることをおすすめします。

学歴よりも共感力

逆に学歴が良ければいいっていうわけでもないです。


「なんで、こんなのが分からないのかが分からない」っていうのは本当によくあるパターンで、


東大の温室育ちの学生はそこを突破できずに辞めてしまうことも時々あります。


賢いんだから、躓くところまで学べよって思うんですけど、頭が固い場合もあります。


大事なのは共感力だと思います。


バックグラウンドも違う人間に対して何か自分の知っていることを説明する場合、相手に共感を示すことができるかどうかが一番大事です。


理屈より感情で生徒を動かす技術を学ぶ必要も出てきます。

教える技術は後からついてくる

学歴もコミュニケーション能力も教える技術である程度カバーできるのは事実です。


ですが、最初から技術のあるバイトなんていません。


どこでどんな風に子どもが間違えるのかだって一つ一つ数え上げようとしたらキリがありません。


教え方のスタイルも塾ごとに違いますしね。


ですから、「学歴もないし、経験もないし」だから塾講師は無理かなとは考えなくていいです。


どちらかというとそれを吸収しようとする姿勢を持ち続けられるかというところでしょうか。

なぜ自給がいいのか

少しだけ考えてほしいのは「なぜ自給がいいのか」ということです。


塾講師というのは他のアルバイトと比べてもかなり自給の良いアルバイトに入ると思います。


もちろん「ある程度の学力が必要とされるから」という専門性も自給の良い理由の一つにはなります。


ただ、一番は「人生に関わることだから」だと思います。


なんだかんだ、人間の将来は今の環境に左右されますし、通った中学高校大学に左右されます。


その分岐点の一つになるわけですから、それなりの責任感は必要となると思います。

塾側に合わせる必要もある

「あとは生徒の分かるスピードで教えてあげたい」からという理由で辞める人も時々います。


「成績を上げるための妥協」を受け入れないという姿勢は塾講師にとっては少し問題のある姿勢に映ってしまいます


アルバイトを始めてなさる学生さんも多いですから、よく話しますけど、結局雇ってもらってお金をもらっている以上、ある程度のしがらみはどこに行ってもあるということですね。


塾で一番難しいのは、サービスを受ける生徒と、スポンサーの親御さんとが別々の人間ということですね。

まとめ

この辺が塾講師のアルバイトを考えている方向けのメッセージですね。


よければ、「個別指導のテクニック」も下の一覧からご覧ください。


それではまた、所長でした!



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