保護者と先生の集会所

保護者と先生の集会所

アラサー高校物理の執筆をする「しがない個別指導塾講師」が子どものため、親のため、先生のために少しでも役立つ情報を発信するためのブログです。

おすすめの例文暗記用参考書「和英標準問題精講」の感想、レビュー(700選よりこちらがおすすめ)

ども、所長です!


少し前に原の英標をレビューしましたが、あれは英文解釈と言われるジャンルから長文と言われるジャンルを両方またにかけた参考書でした。


shukaijo.hatenablog.com



今回は英語の作文用の参考書として、同じ原仙作の著作である「和英標準問題精講」について紹介します。


前回紹介した「英文標準問題精講」の姉妹本ですが、敷居はだいぶ低いので、こちらはより一般におすすめです。


大人の方も英文を書くという作業を勉強しなおしたいという方にピッタリのテキストです。

受験の英作文について

受験で出る作文ですが、タイプとしては和英、自由英作などがあり、それぞれ長さも色々ありますが、まとめるとたかだか数種類です。


そしてほとんど全ての入試は例文暗記と語彙力のみで十分クリアできます


「いやいや例文暗記と語彙力だけでは太刀打ちできない、言い換えの技術やら何やらが必要」とおっしゃる方も多いのですが、


私はあくまでも「例文暗記と語彙力」で十分と考えています。


そもそもそれで対応できないなら、暗記した例文の数も語彙力も足りていないんです。


ここ最近の受験用の例文暗記系の参考書はレイアウトもよくCDもついていて、少ない例文数で、受験生受けのいいものが多いわけですが、


それで作文できないのだとしたら、暗記の量が足りていないわけです。

和英標準問題精講

さて本題に入りますが、まず英作文ができるようになるためには最低限のインプットが必要なのは説明するまでもないでしょう。


全国的にも名前の知られた大学に合格したいなら、最低でも500文、できれば1000文程度は英語の例文を暗記すべきだと考えています。


ですから、100文から300文くらいしか載っていない参考書はそもそも私は文の数が足りないと考えています。


タイトルが数百文なだけで例文を合わせると500文を超えるものもあるので注意が必要です。


ちなみに伊藤和夫による受験参考書の一つの「新・基本英文700選」なんかは古くからある参考書で700文の例文がついています。



暗記に適したCDもついていて安いので、あちこちで紹介されています。


一方で「和英標準問題精講」はそれほど紹介されていないんですが、私からすると、こちらが大学受験の英作文用のテキストとしては一番おすすめのテキストです。

構成

まず本の構成を説明します。


5編からなる構成になっていて、3編までは文法にフォーカスしており、後半2編はトピックスにフォーカスしています。


一応目次を書き出すと以下のようになっています。

第Ⅰ編 初期10日間

第1章 主語と述語
第2章 基本5文型
第3章 疑問と依頼
第4章 否定
第5章 動詞の時制
第6章 動詞の時制

第Ⅱ編 前期10日間

第7章 助動詞
第8章 助動詞
第9章 仮定
第10章 仮定
第11章 主語節と補語節
第12章 目的節

第Ⅲ編 中期10日間

第13章 形容詞節
第14章 時の副詞節
第15章 譲歩の副詞節
第16章 比較の副詞節
第17章 原因・理由の副詞節
第18章 結果・目的の副詞節
第19章 様態の副詞節
第20章 相関語句

第Ⅳ編 後期10日間

第21章 四季
第22章 天候
第23章 住居と家庭
第24章 日常生活
第25章 社交
第26章 新聞・ラジオ・テレビ・映画
第27章 学校生活
第28章 書物と読書
第29章 言語・文章
第30章 健康・スポーツ

第Ⅴ編 最終10日間

第31章 旅行
第32章 自然・動植物
第33章 人間・特性
第34章 個人の意欲・感情
第35章 国民・国民性
第36章 科学・交通
第37章 産業・経済

この37章全てで和英の作文問題が200題。それぞれの問題に対して関連例文が数文ずつついており、関連例文の合計が600文


問題によっては解答例が2種類以上あったり、2文以上の解答になる場合もあるので、全てひっくるめるとおよそ1000文ほどになるはずです。


前半の短い文で10語前後、後半の長い文で40語前後の英語で構成されたものが並んでいます。


また日本語表現索引と、英文語句索引、文法事項索引が巻末についています。

メリット

この本の良い所は文の数がとにかく多いことです。


参考書を紹介するときに分量をわりと書いてきていますが、受験は暗記がほとんどを占める以上、量が多いことはそれだけで正義です。


この量の英文が載っている英作文の受験用参考書はほとんどないです。


また、私が持っているものは新装5訂版ですが、これに関してはレイアウトもいいです。


赤と黒の2色ですが、黒は太字と普通の字の2種類で、十分いまどきの子どもでも嫌にならないレイアウトになっています。


先に挙げた基本英文700選はレイアウトは少し取っつきにくい所がありますので、そこはこちらに軍配が上がります。


それから解説は多すぎず少なすぎず適切な量です。


私は英作文の参考書でパッと見で日本語の方が英語よりもだいぶ多いものはちょっとどうなのかな?と思うタイプですからこれもクリアしています。


それから、以前紹介した「英文標準問題精講」とは違って難易度も高くないです。


もちろん後半の方の和英問題の方はそれなりの難易度ですけど、関連例文の600文に関してはセンターで120点くらい取れる人なら始めてもいいくらいのレベルです。


関連例文と、本問題とで難易度が少し別れているところも良い所です。使い方の幅が広がります。

デメリット

残念なところはCDがついていないところですね。


今どきは英作文の参考書でも音声付属のものが増えてますから、これは弱点のひとつかなと思います。


また、解説も何もいらないからただ例文がずらっと並んでいて見開きで覚えるべきものがパッと分かるレイアウトが良いという方はあまりおすすめできません


一応この参考書は全部和英問題として解くスタイルを意図して編集されたものなので、その意味ではただ暗記を意図したレイアウトを好む方には700選の方が合っているかもしれません。



あとはやはり古い参考書特融の古さが少しだけあるところですかね。


いまどき見ないlest~shouldの表現が残っていたり、トピックスごとの後半2編でのトピックスが少し古いです。


第26章が新聞・ラジオ・テレビ・映画なところがそれをもろに表しているかなとは思います。

おすすめな人

基本的にはどんな受験生にもおすすめです。


受験で出る英作文の語彙数が30語くらいまでの方は関連例文だけ全て覚えてしまえば十分合格点です。


ほとんどの大学でここまでのラインができれば十分だと思います。


一部のレベルの高い大学、やけに長い和英だったり、自由英作文だったりを出す大学なんかはもう少し使い方を考えるといいですね。


関連例文を一通り、全部覚えてしまってから、頭に戻って200題を和英問題として解いていくスタイルで最後までやりきるのがいいでしょう。


その後、その200題の問題も含めて載っている文章を全て暗記してしまえば、京大なんかの面倒な和英問題の過去問にも十分対応できます


自由英作文に関してはもう少しまじめに問題慣れしないといけないでしょうから過去問を解いて添削してもらう必要がありますけど、それに関しては英作文の能力だけではなくて小論文的な練習の方が大事です。


雑に言うと英語というより国語の問題とも言い換えることができます。


受験生以外の大人の方の英語のやり直しにもちょうどいいです。


持ち運びにも便利ですし、英会話の上達のために暗記用の単語帳を持ち運ぶくらいなら断然こっちをおすすめします。


塾講師の視点から

塾講師の立場から言わせてもらうとやはり、量があるのがうれしいですね。


レベルに合わせてどこを自習にして、どこを添削にして、というのも指定しやすいです。


見開き完結の例文集ではないですからコピーしたものをはさみで切ってそのままテストというのはできないです。


英文のみズラッと並べたものも出版すればもっと需要が増えると思うんですが。。。

まとめ

英標のイメージのせいで、和英の方も難しいのではないかと考える人も多いかもしれませんが、こちらはもっと万人受けするタイプの参考書です。


昨今、アウトプットが大事という言葉がはやっていますが、インプットが大事なのもこれまで同様事実です。


1000文程度の暗記が出来なければ、作文も会話もままならないと思いますので、ぜひこれを機会に大人の方も学びなおしてみてはいかがですか?


関連記事もぜひお読みください
それではまた、所長でした!


こちらから学習相談と勉強の習慣化のお手伝いを承っております。
塾の週回数増減の相談を含む学習計画相談します 【初回限定割引】子どもの勉強に不安がある保護者の皆さんへ

勉強の習慣化【5日間お試し価格】をサポートします 学習内容報告と毎日のメッセージで【本気の方のみ】応援します
無料会員登録してくわしくみる


関連記事
shukaijo.hatenablog.com
shukaijo.hatenablog.com
shukaijo.hatenablog.com
shukaijo.hatenablog.com