英文標準問題精講 (原の英標)の 使用感、感想【参考書レビュー】
ども、所長です!
今回は「英語標準問題精講」の紹介です。
原仙作による著作で、のちに中原道喜によって補訂されています。1933年に出版されて、99年に改定されているみたいです。
私が今現在持っているのは新装5訂版です。
今なお普通に本屋に並んでいる書籍ですから、かなりパワーのある本の一つだと思います。
使用当時の感想
この本を私が初めて手にしたのは高校生の頃で、たしか実力テストのテスト範囲にちょっとずつ出されていました。
長期休暇の課題にもなっていたような気もします。
当時の私は英語はかなり苦手だったので、激ムズなテキストという認識でした。
ようやくこれを扱う意味が出てきたのは浪人生になったころですかね。
センター試験でいうと9割が出るようになったくらいの頃だと思います。
その頃はとにかく英文の量をこなす時期と割り切ってこのテキストを使って何周も回していました。
おそらく5周6周くらいはしましたかね。
文章量はこれでかなり確保できたように思います。日本語訳がこのテキストによってかなりできるようになったのは間違いないです。
特徴
目次
このテキストの目次は以下のようになっています。
第1編 初期10日間
- 基礎問題と研究・訳文(第1問~第50問)
- 練習問題(第1問~第50問)
第2編 中期10日間
- 実力問題と研究・訳文(第51問~第80問)
- 練習問題(第51問~第80問)
第3編 後期10日間
- 応用問題と研究・解答・訳文(第81問~第110問)
- 練習問題(第81問~第110問)
索引
- 文法事項索引
- 英文語句索引
となっています。
質が高く、量が多い
このテキストの良い所はとにかく英文の量が多い所ですね。
「いわゆるよくある英文解釈用のテキストくらいの長さの文章」から「一番易しめの長文問題集の長さくらいの長さの文章」くらいの例題が110題。
同様の長さの練習問題が110題です。
正直最近のテキストでこの量の英文を載せているものは他にはないのではないかと思います。
また、英文の質もかなり高いです。「変な文章から取ってきているな」印象を受けるような文章はこの量でも一つもないです。
解説が深い
それから例題を丁寧に眺めてみると、簡単目の構造の解説だけでなくなかなか小難しいところまで解説されていることが分かります。
文法事項索引が巻末にあって、「あ行」だけでも聞いたことのないような項目があります。
暗喩 [隠喩] (Metaphor)
意識の流れ手法 (Stream of Consciousness Technique)
引喩 (Allusion)
引用句 (Quotation)
韻律 (Rhythm)
縁語
んー、この辺の細かい所まではさすがに真面目に勉強する必要はないと思いますが。。。
さすがに難しい所をピックアップしても意味はないと思いますので、簡単な部分だけ紹介すると
he ploughts, he sows, he reaps
という部分を拾ってきて、これは敢えて”and”を省略していると論じているわけです。
そうすることで、韻文的になっている、という解説があります。
これが例文の14個目ですから、後半にもっと難しい部分もあると思ってくださればいいと思います。
こういう難しい文法項目(?)は文学的な説明に関することが多いのが特徴的です。
受験用参考書でこのような説明があるものは他にないのは確実だと思います。
メリットとデメリット
メリット
最近の受験生にはあまりおすすめしない記事がかなり多いと思いますが、私はそれほど否定的ではありません。
先に説明しましたが、とにかく英文を読む量を増やしたい時期にはかなりいいテキストです。
普通の英文解釈テキストやら長文テキストやらで同じ量の英文を読もうと思うと、4冊5冊は必要になるかと思います。下手したらもっと必要。
持ち運びもしやすいサイズですからそこも評価できる点だと思います。
また、文学的修辞を適度な難易度で勉強できる受験用テキストはこれ以外にはないです。
ちなみに「語学力の進歩は努力の量に正比例する」という文言がテキスト中あるんですが、これはこのテキストの中でも好きな言葉の一つです。
「そこそこの難易度でそこそこの量をこなしたい」という人にとってはこれ以上ないテキストです。
ある程度のレベルまでいくと過去問以外に良いテキストがないですからね。
そういう受験生にぴったりです。
デメリット
もちろん良くない点もあります。
一つ目は量が多いからこそ、短時間で結果を求める人にはイマイチです。
30日用の目次になっていますが、1周目は30日では終わらないと思います。私は1周目に150時間ほどかかった記憶があります。
二つ目はCDがないことです。音声付きのテキストがここ最近スタンダードになってきていますから、ここは割と大きな弱点に感じる人もいるのは間違いないでしょう。
三つ目は古い文章なので、今どきあまり見ない英語表現がたまに見受けられることと、一つ一つの文章自体はそれほど長くないことです。
ここ最近は入試でも長い文章も多くなってますから、そこは気にする生徒も多いかもしれません。
そのためスピード感はあまり身につかないです。
これらを考えると最近の受験生に不人気になるのは理解できます。
受験生であれば、英語である程度、長文問題集系の問題も解いて、過去問演習するにはまだ時期的に早く、音声はなしでもよくて、とにかく質の良い文章を大量に安く読みたいという方には最適です。
もう一度言うと、過去問以外にやることなくなっちゃったけど、どうしようって人用です。
ですから、解説が簡潔すぎるというのはデメリットにはならないです。
そういう受験生って結構少ないですけどね。。。
やり方
やり方として「全訳していく」というなかなかハードなやり方を推奨されている方もいらっしゃいますね。
さすがに全訳していくと時間がものすごくかかる気がしますね。
ですので、最初の50問を分からないところをチェックしながら読み、そこの2周目を読みつつ、次の練習問題の50問を読む。
練習問題の2周目を読みつつ(分かった部分はチェックを外しつつ)、中期の実力問題を分からないところをチェックしながら読む。
と2周目を被せつつ、次の問題にも取り組んでいくのをずーっと回していく形で私は取り組んでいました。
そのまま最後までやれば全て2周したことになりますが、引き続き4周目くらいまではやったほうがいいでしょうね。
まとめ
受験生に向かない場合もありますが、大人が時間をかけて取り組むのにも良いテキストですから、のんびり英文を読む練習をする方にももちろんおすすめです。
Amazonや楽天でもレビューが結構多いですから、そちらも見てみるといいかもしれません。
他のテキストで同様のレビューが欲しい方はぜひコメントしてください。
それではまた、所長でした!
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