保護者と先生の集会所

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アラサー高校物理の執筆をする「しがない個別指導塾講師」が子どものため、親のため、先生のために少しでも役立つ情報を発信するためのブログです。

最も成績を上げる唯一の授業【最強の個別指導】

ども、所長です!

世間一般ではどうにも当たり前に思われているような以下の方程式、


授業の分かりやすい先生=成績を上げる先生


これは私は典型的な間違いだと思っています。もちろん分かりやすいという要素は必要ですが、成績を上げるための授業の本質はそこにはありません。


今回は個別指導をなさっている先生方向けの記事であり、そういった方々には必見の記事になっているはずです。

その1 下準備

個別指導なさっている方は自分の担当する生徒さんをイメージしてみてください。


[今週から毎週2時間Aさんに数学を教えることになりました。Aさんは高校2年生、地方国立大の法学部に受かりたいという目標があります。数学はセンター試験(今後形式は少しずつ変わっていきますが本質は同じです)で使うだけです。]


まず最初にやることはこれまでのテストを保管されているだけ全て見直します。そして普段の勉強時間や、テスト前の勉強の様子を思い出せる限り思い出してもらいます。生活習慣も聞き出せる範囲で聞き出します。


[Aさんは前々回くらいからテストの点数が下がり始めました。毎回テスト前には図書館で割としっかり勉強するタイプのようですが、普段の勉強時間はかなり少ないようです。部活を理由にしていますが、部活後に自由な時間も存分にありそうです。]


成績を伸ばしたかったらまずは下準備です。

  • どのテストからできなくなったのか。つまずいた単元以降、それに関連しない単元まで出来なくなっていたりしていないか。
  • ミスは本当にミスか?計算ができないのか、問題文の読み間違えが多いのか。
  • どこで、どれくらいの時間、どんなテスト勉強をしてどんな成果が出ているのか。
  • どれくらい勉強の体力があるのか。勉強にあてる時間があるのか。その科目に対して割ける割合は?


何も考えずに何も戦略を立てずにただ俺の授業分かりやすいだろう、と授業しているだけではありませんか?もしそうなら謙虚になってください。


わかりやすい授業がしたいなら映像をYouTubeにアップすればいいんです。その子を担当している自覚を持つべきです。

その2 時間の使い方

さて成績を上げるための本質を改めて言いますが、これはつまずいた単元から先の内容をわかりやすく教えることだけではありません


世間には腐るほど参考書が出ていますが、あなたはその参考書以上に分かりやすい授業ができますか?


あなたと参考書を比べたとき、またあなたと学校の先生を比べたとき、あなたに有利な点はどこですか?


それは実際に会えることであり、個別に干渉できることです。


あなたに与えられた時間は毎週たったの2時間です。毎週たった2時間勉強する程だけで賢くなるなら全員東大に受かります。


あなたが隣にいない時間にどれだけ勉強してもらえるか


それが成績を上げるためには絶対に考えねばならないことです。私ならまず普段の勉強を改善するために授業時間を割きます。実際の数学の内容を教えるのは30分。残りの1時間半は私が来週来るまでの勉強をいかに行うか、そういう授業時間の使い方をします。


例えば、テスト前は図書館で勉強していてそれが上手く行っているなら、普段から図書館に行く習慣をつけるだけで成績が上がるかもしれません。


小学生には勉強の楽しさを語ることで、中高生には勉強の必要性を語ることで、勉強のモチベーションが上がるかもしれません。


好きな教科から勉強を始めてしまう生徒は科目のオーダーを変えるだけで成績が上がるかもしれません。


真面目な生徒は参考書の読み方や、参考書の選び方を教えるだけでも大きく化ける可能性があります。


こんなアドバイスを出来るだけ具体的に行える先生がよい先生です。ただ勉強しろではダメです。毎日15分、1時間、勉強時間が伸びるアドバイスをしてあげなければダメです。そのためには下準備が欠かせません。


ただ授業をして1時間50分で2単元教えて10分で宿題出して終わり、これは完全に自分よがりの授業です。謙虚になってください。あなたが2時間教えるより生徒が10時間勉強した方が成績が伸びるんです。そしてそれこそが勉強の意義なんです。

まとめ

勉強ができることなんてこれからの時代、ほとんど意味がありません。AIがマーチに受かる時代が来ています。勉強する習慣のなかった生徒が勉強をする習慣をつけた。これこそ教育の意義です。


残念ながら、集団授業をしていらっしゃる先生方はここまで面倒を見る余裕はありません。学校や集団塾予備校の限界がここにあります。個別にその子に干渉できるかどうか、これが個別指導の意義であることを考え直してみてはいかがでしょうか?


学校の先生のテクニックや集団で教えている塾の先生の意見もぜひ教えてください(お問い合わせ)


それではまた、所長でした!