保護者と先生の集会所

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アラサー高校物理の執筆をする「しがない個別指導塾講師」が子どものため、親のため、先生のために少しでも役立つ情報を発信するためのブログです。

浪人すべきかどうか【6つのポイント】

ども、所長です!(2019/1/15の過去記事更新)


大学受験においては浪人するかどうか選択肢を与えられる(迫られる?)場合があると思います。私は基本的には浪人は反対です。


そして迷ったときに何を基準にすべきか分からなくなってしまうことも多いようです。私が相談されたときに話すことを書いてみました。


6つのポイントをチェックポイントをクリアできない場合失敗する可能性が跳ね上がります。ぜひ最後まで読んでください。

6つのチェックポイント

  1. 4月からではなく、不合格が決まったその日から365日休みなく最低でも10時間は勉強できる
  2. 友人や恋人を含む他人と関わる時間を1/10に減らすことができる
  3. SNS、読書、運動、テレビなど、趣味の時間を1/10に減らすことができる
  4. 新しい交友関係を作らないことができる
  5. ニート同然であるその1年をくれた親に感謝することができる
  6. 1年浪人すれば誇張でも何でもなく絶対に受かる自信がある

浪人のデメリット

さて、それではまずデメリットを考えていきましょう。基本的には、お金と時間を無駄にします。


浪人には費用がかかります。大手の予備校に行けば最低でも年間100万、おそらく多くの浪人生はそれに講習費用や、参考書、模試台、なども諸々合わせて150から200万円前後使っているのではないかと思います。


そして一生涯に稼ぐお金が1年分減ります。減る1年分というのは新卒の1年分ではなく退職の年の1年分ですから、親世代からするとかなり大きな額になります。(今の働き方がお子さんが退職する頃の働き方と同じとは思えないのでその辺は考慮できないですが)


次に最も大事なことですが、時間を失います。ふつうの高3生では気付くことは難しいでしょうが、浪人の1年で新たに学ぶことは基本的には全くありません。


経験者だから言えることですが、ハッキリ言って時間の無駄です。


人生において、浪人当時に勉強した内容が生きることは生涯を通してほぼありません。(内容ではなく経験であれば生きることもあるかもしれません)


RPGで最初のボスを倒すためだけにただただレベル上げに1年間使っているようなものです。最低賃金のアルバイトで何にお金を使うわけでもなく1年間貯金のためだけに毎日働き続けるようなものです。


そして18歳19歳の1年間というのは新たな何かを吸収するのには最高の時間です。その価値は1年分減る1000万の給料や浪人にかかるたかだか200万の費用より圧倒的に大きな価値を持ちます。


1年の無駄は死ぬまで累積的に1年の無駄としてついてくることを理解しておくべきです。

浪人のメリット

私は基本的には反対ですが、一応メリットについても書いておきたいと思います。


一つ目は現役で合格した大学よりも学歴を上げることのできる可能性が残ることです。


ただし、上述のように確率で言うとかなり低めです。


二つ目は受かろうが、落ちようが、受験勉強をやり切ったという満足感が得られるということですかね。


高3の秋ごろまで部活をやっていた子なんかはこの目的のために浪人する場合もあるかもしれませんね。


ですが、これも自己満足の領域から出ることはないということを強調しておきます。

おまけ( 所長の昔話)

まずは私の話をしますが、私の場合、そもそもの選択肢が少なかったので結果的に浪人となりました。


高3当時の私は漠然と数学や物理や化学の研究をしたいと思っていました。


しかし、田舎育ちの私は、近くにこれらがまともに勉強できる大学がそもそもなく、最低でも県外に出る必要がありました。


さらに経済的に余裕があるわけでもなく大学に行くなら国公立、これは確定事項でした。


そして、何の研究をやりたいのか具体的に決まってなかった私は、大学2年生のときに学部を選べる東大の一択で受験することになりました。


結果は惨敗だったわけですが、そもそもの選択肢として私立の選択肢は私の中にはなく、浪人したら受かるだろうと楽観的な考えもあり、浪人することを決めました。

まとめ

改めて、


どうしても浪人したいというお子さんがいらっしゃる場合、以下のことをチェックされるといいかと思います。もう一度、言いますが所長の私は基本的には浪人に反対です。

  1. 4月からではなく、不合格が決まったその日から365日休みなく最低でも10時間は勉強できる
  2. 友人や恋人を含む他人と関わる時間を1/10に減らすことができる
  3. SNS、読書、運動、テレビなど、趣味の時間を1/10に減らすことができる
  4. 新しい交友関係を作らないことができる
  5. ニート同然であるその1年をくれた親に感謝することができる
  6. 1年浪人すれば誇張でも何でもなく絶対に受かる自信がある


ここに並べたものは浪人生の失敗パターンにすぎません。どれか一つでも自信のないものがあれば、浪人して失敗する可能性があります


大手予備校に行っても、一人も友達を作ってはいけません


風邪をひいてもその分を必ずどこかで取り返さねばなりません。(まる1日勉強だけ15時間する日も出てくるでしょう)


テレビやYouTubeの時間を半分に減らす程度では浪人は失敗します


再受験日当日、受かるかどうか不安を少しでも感じるような自信のなさでは落ちます


そもそも浪人して成功する受験生の方が断然少ないんです。これは受験生を教える先生にとっては常識です。(正確なデータの在り処知っている方教えてください)


そして、0番目のポイントとして「どうしてもその学校でなくてはならない理由があり、それは大学院からの再チャレンジや、大学外からのアクセスでは成立しない」ということも加えておきましょう。


研究したい内容や、目指したい先生がいるなら、大学院からでもうまくいく可能性は高いです。


そもそも大学の4年の間に先生が異動することもあります。


そしてただ授業を聞くだけならこっそり行ってもほとんどの場合大丈夫ですし、教員にアポイントを取ればどうにかなる可能性も高いです。


それは大学の先生が教育の重要性を理解しているからです。そして、丁寧に対応してくれない先生に大した価値はありません。


たかだか学歴やプライドのためだけに浪人をするような選択をしてしまいそうな子がいたら、てきとうな大学に入って、自分を磨くのに時間を使うべきだと大人は諭してあげるべきだと思います。


将来お金を稼ぎたいから学歴が必要なんだ、と考えるお子さんは浪人の前にこれからの時代の経済を勉強すべきです。


長くなりましたが、参考になりましたかね?浪人は基本的に失敗するというスタンスでその上で6つのポイントをもう一度考え直していただけるといいかと思います。


浪人経験者として、そし浪人生の指導経験者としてアドバイスできることはいくらでもします。


それではまた、所長でした!



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