保護者と先生の集会所

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アラサー高校物理の執筆をする「しがない個別指導塾講師」が子どものため、親のため、先生のために少しでも役立つ情報を発信するためのブログです。

禁止ワード「わかった?」【個別指導流の質問のコツ】

ども、所長です!


塾講師を何年もやっていると子どもに授業をするときに絶対に使ってはいけないワードというのを学びます。意外に思う方もいるかと思いますが、それが実はこれ


「分かった?」


なんです。これがダメな理由や質問のテクニックについて私なりの意見を書きました。

「わかった?」は怖い

もう一度言いますが、「分かった?」これは最悪の質問です。


そもそも、この質問に対して「わかりません」と答えられる子どもの成績は悪くなりにくいんです。なぜならその子は何が分かっていないか分かっていますからね。ですから塾に通う時点で「わかった?」に対する答えは子どもの中にはない状態であることがほとんどです。


さらに大前提として、子どもにとって先生は怖い対象です。何にもしてないのに警察に声をかけられたら大人だってビクビクするのと同じです。「分かった?」と聞かれたら分かってないのに「はい」と反射的に答えてしまうものです。特に個別指導をしているとその事実に気づきます。

表情から判断する

では子どもの理解度をどう判断するのか?


答えは簡単です。表情から判断する です。子どもに物を教えるビジネスをしていて表情からある程度子どもの考えていることが推測できないようならいつまでたってもプロとは呼べません。


私が指導する新人の塾講師には必ず「分かった?禁止令」を出します


もし、この文章を読んだ先生の中で無意識にこのワードを使っている先生がいたら試しに禁止令を自分に発令してみるといいと思います。生徒の表情をもっと見るようになりますよ。


そして子どもの考えが手に取るようにわかるようになります。もちろん表情に出にくい子もいますがそういう子の表情から考えていることを読み取れるようになるのが最低限必要です。


「わかった?」の問答をするだけでも多少なりとも時間を浪費してしまうわけですから、それが積もれば1つや2つ別のことを教えてあげる余裕が出てくるものです。

質問の種類、コツ

さて少し話を進めて、私なりの質問のコツをお伝えしたいと思います。とにかくテクニックは大量にありますし、皆さんお持ちだろうと思いますが、私が特に有用と思っている考え方について紹介します。


それはオープンクエッション(OQ)とクローズドクエッション(CQ)の難しさのレベルを認識して使い分けることです。


例えば、OQにはこのようなものがあります。


「この文章、どんな話だった?」
「この問題どう解いたの?」


同じく、CQにはこのようなものがあります。


「AとBだったらどっちが正しそう?」
余弦定理と正弦定理だったらどっちを使いそう?」


個別指導をしていて授業が詰まってしまう先生や、子どもから質問の答えが返ってこない先生は大抵OQを頻発しています。ベテランの先生から見れば「そりゃ、答えてくれないわな」という質問をしていることがよくあります。そして、大抵それを続けていくうちに子どもに嫌われていきます


なぜなら質問の難易度としてOQの方がCQより圧倒的に難しいからです。


今回あげた例ではCQは2択にしていますが、もちろんOQCQは完全に2通りに分けられるわけではなくて、その間は段階的になめらかに繋がっています。2択より4択の方が難しいCQですし、選択後にその理由を少しでも答えてもらえばOQに近づきます。


そしてポイントは質問の答えが間違っているときに一瞬たりとも残念な顔をせず、優しくそう考えた理由を聞くことです。(ちなみに何も考えずに勘で即答した場合は優しく説教です笑)

質問の意図を考える

そして多くの新人の先生が勘違いしていることですが、「正しいことを教える」よりも「間違ったことを間違ったと認識する」ことの方が大事です。


ですから、私は間違えたときこそ、時間をかけて子どもの話を聞きます。そして間違えたときこそ私からの話は短くする、これが私のテクニックです。そしてこれが私が子どもに質問をしながら授業を進める意図です。質問の意図を考えずに問題集に載っているから聞いておく、時間に余裕があり自分が話すぎているから聞いておく、という質問は本当に時間の無駄です。


慣れないとかなり難しいかもしれませんが、質問の意図を考え、間違いのほうに時間をかけることができるようになるだけで子どもの成績はびっくりするほど伸びます。子どもが賢くなるからです。

まとめ

さて今回は個別指導流のテクニックの1つとして質問の仕方を公開しました。子育てや集団授業でも活かせる部分は活かしてもらえたら幸いです。


それではまた、所長でした!



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